酸化ストレスの元凶は活性酸素です

活性酸素について

活性酸素ってどんなものかご存知ですか?活性酸素とは通常の酸素が変質したもので、大気中に含まれる普通の酸素より酸化力が強いものです。酸化=さびと考えるといいでしょう。
このページは難解な用語が多くでてきます。ちょっと難しいけど、やっぱり活性酸素は老化の主役なので、少しでも理解していただけたら嬉しい限りです。興味がある人は是非読んでください。

1) 活性酸素の原因
 活性酸素の発生要因としては、過食、タバコ、大量の飲酒、ストレス、激しい運動、紫外線、排気ガス、加工食品などがあります。日常生活の中でなかなか避けられないものもありますが、活性酸素の発生要因をよく知ったうえで、できるだけその発生を抑えるような生活を考えた方がいいでしょう。ちょっとした気配りが活性酸素の害からあなたを守ります。

2) 活性酸素の種類
主な活性酸素には以下の4つがあります。
@ スーパーオキシドラジカル: 酸素に電子が一つだけ結合したもので、ひとつの電
子軌道に、ひとつの電子しか存在しない(不対電子)(図1)。その為、他の分子から、電子を1ケ奪って、対になって安定しようとするので、ペアの電子をもつ安定した他の分子(図2)を酸化させます(図3)。不対電子をもつ物質をフリーラジカルという。
スーパーオキシドラジカルにはそれを消去するSODという酵素が働き、今度は過酸化水素という活性酸素が発生します。
A  過酸化水素:スーパーオキシドラジカルのスカベンジャー(注1)はSODという酵素。スーパーオキシドに2個目の電子が結合した過酸化水素という活性酸素が発生します。過酸化水素はフリーラジカルではない活性酸素。過酸化水素は不対電子をもっていませんが、酸化力が強くからだのさびを引き起こします。
過酸化水素を消すのがカタラーゼ、グルタチオンパーオキダーゼという2つの酵素。
  これらの酵素によって過酸化水素は無害の水に変えられて処理されます。
注1:スカベンジャー:活性酸素の攻撃から身を守るはたらきをする物質のこと。

B ヒドロキシラジカル: 過酸化水素は、細胞中に鉄イオンや銅イオンなどがあると、それらの触媒作用でヒドロキシラジカルに変化する。スーパーオキシドと同様に不対電子をもつフリーラジカルであるが、活性酸素の中で最も反応性が強く、酸化力も強い。脂質、核酸、タンパク質など近くにあるあらゆる化合物と反応してしまう。
活性酸素種のなかで,過酸化水素と遷移金属の反応で生成されるヒドロキシルラジカルは最も反応性が高く,まわりにある高分子を酸化します。
ヒドロキシラジカルにも消去部隊は出動する。グルタチオンという酵素、ビタミンC・E、βーカロテン、レスベラトロールなどのポリフェノールがスカベンジジャーとなってヒドロキシラジカルを消去する。

C 一重項酸素: 一重項酸素とは、体内の酸素が紫外線の強いエネルギーを吸収した状態の酸素です。不対電子はないが酸化力は強い。この活性酸素は体内にある酵素では無害化できない。一重項酸素のスカベンジャーはβーカロテン、α―カロテン、アスタキサンチン、リコピンなどのカロテノイドである。
3)活性酸素の作用
 活性酸素が老化に深く関わっていることもよく知られています。活性酸素は通常の呼吸によって発生し、ウイルスや細菌などの病原体を殺すなど役に立つ働きをする一方で、過剰に発生してしまうと、体をサビつかせ細胞を傷つけ始め、人体にとって有害な働きをするのです。まさに「諸刃の剣」となります。活性酸素を過剰に発生させれば、当然老化が早まります。遺伝子に傷を付けるとがんを起こし、血液中のLDLを酸化して動脈硬化を起こし、ひいては脳卒中や心臓病につながります。

4)活性酸素との戦い
活性酸素に負けない体を作るにはどうしたらよいのでしょうか?普段から抗酸化食品を豊富にとること、活性酸素の発生や消去に密に関わるミトコンドリアの性能をよくすることが大きなポイントになります。




宮原隆志(元みやはら医院院長)の健康と芸術に関するひとり言

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